オトナの休日!国立西洋美術館で美的感覚を養っちゃおう
目次
世界遺産にしたいほど
東京に散在する観光スポットの1つに国立西洋美術館があります。
上野動物園と共有の敷地内にある関係で、動物園を見学したついでに美術館にも足を運んだという人や、その逆も多いです。
歴史的にはほんの十数年程度ですから、由緒ある美術館と呼んでいいやら迷うところですが、すごいのはたったそれだけの年数で世界遺産にしようという声があがっている事です。
バラエティに富んだ魅力
従来の日本における世界遺産の数々を見ると、どれも長い歴史背景を持つものばかりで、蓄積された時間に比例した価値が付加されている事を考えても、国立西洋美術館に所蔵されている作品がいかに優れているかがわかります。
もともと個人所蔵のコレクションが国立西洋美術館の始まりですから、世界レベルの美術作品を同胞にも見せたいという情熱が実を結んだとも言えます。
国立西洋美術館の魅力は建築構造にも表されています。
今でこそ耐震構造が叫ばれていますが、国立西洋美術館が産声をあげた昭和36年に、当時としてはまだ珍しかったはずの耐震技術である、免震レトロフィット工事が導入されているなど最高峰の建築技術が使用されているのです。
建物だけではなく所蔵されている美術作品にも対応されています。
およそ100年前に起きた関東大震災という悲劇的体験を最大限に生かしたゆえとも考えられますから、美術館建立に携わった関係者らの先見の目も賞賛に値します。
国立西洋美術館で観覧できる作品
具体的にどういった作品を見る事が出来るかと言いますと、14世紀シエナ派 “聖ミカエルと竜”をはじめとした素晴らしい作品群だけで5000点あまりと言いますから見応え充分です。
種類も絵画、版画、素描、彫刻、工芸、書籍など諸々です。
美術家をめざす人はもちろん、子どもたちを含めてあらゆる世代の人たちにも見て欲しいですね。
実際に小中高生らによる鑑賞も積極的に受け入れています。
教育プログラムと呼ばれる鑑賞会ではスクール・ギャラリートークを主体にしたワークショップを通して子供たちの思考力・鑑賞力の育成に力を入れています。
全館バリアフリーですから障害を持った人たちも安心して鑑賞できます。
おすすめのスポットです。
国立西洋美術館は松方コレクションから始まった
国立西洋美術館はもともと松方幸次郎(1865‐1950)が個人所有の美術品を一般公開する目的で開設された私立美術館でした。
明治時代に首相も務めた松方正義の三男坊として生まれました。
第一次世界大戦中から収集を始め、ヨーロッパ諸国で買い集めた大量の美術品を日本での芸術教育の一環として役立たせたいという熱い思いから、美術館建立に奔走した結果、昭和34年に国立西洋美術館が誕生したのです。
松方氏自身も造船所の初代社長となり、時には政府高官として務める名士でしたが、蓄えた富を日本の未来のために惜しげもなく投資してくれた事で、今わたしたちが世界一流の芸術に触れる事が出来るという事を考えても、松方氏が果たした役割は大きいものがあります。